私たちが開発しているGiselleでは、Stripeを活用したサブスクリプション決済を導入しています。先日、Pricing plan subscriptionsの実装を行う中で、Stripeのカスタマーポータル機能について調査する機会がありました。
結論から言うと、Stripeのカスタマーポータルは便利な機能ではあるものの、私たちのユースケースでは機能が十分ではありませんでした。そのため、従来のStripe Subscriptionsのカスタマーポータルの仕様をデモサイトで確認しつつ、カスタマーポータル機能で未実装な部分はStripe APIを活用して自前で実装する方針を取りました。
この記事では、その調査過程でStripeが公式に提供しているカスタマーポータルのデモサイトをリサーチした内容を共有します。カスタマーポータルの導入を検討している方や、自前実装との比較を考えている方の参考になれば幸いです。
Stripeカスタマーポータルは、顧客が以下の操作をセルフサービスで行うためのセキュアなページです。
これらの機能をStripeのダッシュボードから数クリックで有効化でき、開発者は最小限のコードで自社のサービスに組み込むことができます。これにより、開発工数を大幅に削減しつつ、顧客満足度の向上とサポートコストの削減を実現できます。
百聞は一見に如かず。まずは公式のデモサイトを触ってみましょう。
このデモサイトで確認できる主な機能を詳しく見ていきましょう。
カスタマーポータルの最も中心的な機能です。
Update subscription)現在契約中のプランから、別のプランへのアップグレードやダウングレードが可能です。デモサイトでは、月額$10の「Typographic Starter」から月額$20の「Typographic Growth」や月額$30の「Typographic Enterprise」へ変更する操作を試せます。また、請求サイクルを「1カ月ごと」から「1年ごと」へ切り替えることも可能です。
Cancel subscription)顧客はいつでもサブスクリプションのキャンセル手続きを開始できます。キャンセル理由のアンケートフォームを表示させる設定も可能で、プロダクト改善のための貴重なフィードバックを得る機会にもなります。
キャンセルを実行すると、契約期間の終了日まではサービスが利用可能であることが明記され、その日をもってサブスクリプションが正式に停止します。
また、顧客がキャンセルを思いとどまった場合、契約終了日までは「やっぱりキャンセルしない (Don't cancel subscription)」という選択肢も表示され、簡単に契約を継続できます。
顧客は登録されているクレジットカード情報を自分で管理できます。
これにより、「カードの有効期限が切れたので更新したい」といった顧客からの問い合わせに対応する手間がなくなります。
過去の支払い履歴が一覧で表示され、各請求書(インボイス)をPDF形式でダウンロードできます。法人顧客など、経費精算のために領収書や請求書を必要とするユーザーにとって非常に便利な機能です。
顧客は自身のプロフィール情報(メールアドレス、氏名、住所、電話番号など)をいつでも更新できます。これにより、常に最新の顧客情報を維持することが容易になります。
カスタマーポータルの優れた点の一つは、Stripeダッシュボードからノーコードでデザインや機能をカスタマイズできることです。
デモサイトも、これらの設定項目を使ってカスタマイズされた一例と考えることができます。自社の要件に合わせて、どこまでカスタマイズできるかを事前に確認しておくと良いでしょう。
ここまでカスタマーポータルの機能を見てきましたが、Pricing plan subscriptionsに対応した機能はまだ不十分です。
例えば、Cancel subscriptionやDon't cancel subscriptionの機能はPricing plan subscriptionsではまだ提供されていません。
そのため、GiselleではStripe APIを活用した自前実装を行い、現在の請求期間の終了時点でサブスクリプションをキャンセルする処理を実装しました。
Stripeカスタマーポータルは、サブスクリプションビジネスにおける顧客管理を手軽に実現できる強力なツールです。公式デモサイトを触ることで、その機能性とユーザー体験を具体的にイメージできます。
スタートアップの初期フェーズや、シンプルなサブスクリプションモデルであればカスタマーポータルで十分でしょう。一方、ユーザー体験を重視したい場合や独自のビジネスロジックが必要な場合は、Stripe APIを活用した自前実装も選択肢に入れることをお勧めします。
どちらを選ぶにせよ、まずは公式デモサイトでカスタマーポータルの機能を体験し、自社の要件と照らし合わせて判断することが重要です。
以上、Stripeをフル活用していきたい、現場からお送りしました。