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セキュアSAMBA と主要オンラインストレージを比較検討したメモ — 課金モデルの損益分岐点と契約前に確認したい制約

重岡 正 · Thu, August 6, 2026

過去に何度かクラウドストレージの選定を繰り返してきたのですが、セキュアSAMBA の主力プランが 2026 年 3 月に大きく改定され、DirectCloud にも 2026 年 9 月からユーザー課金の新プランが登場したので、ゼロベースでもう一度整理し直しました。比較対象は、直接競合として並べられることが多い DirectCloudFileforce、法人向けの標準的な選択肢として BoxDropbox、既存契約を活用できる Microsoft 365Google Workspace の合計 7 サービスです。補足として FleekdriveGigaCC ASPEveridaysクリプト便Bizストレージ にも触れます。

比較表の升目を埋める作業自体はどこでも似たような結果になるので、この記事は「機能表では見えにくい選定のポイント」をまとめる方に振ります。具体的には、課金モデルの損益分岐点、2026 年の料金改定と見落としやすい条件、認証取得と ISMAP の話、データリージョンと日本国内保管の条件、そして機能表に載らないセキュアSAMBA 側の制約の 5 論点です。

セキュアSAMBA の位置づけと 2025〜2026 年の変化

前提として、セキュアSAMBA を運営する株式会社kubellストレージ は、2025-12-19 に株式会社kubell(旧 Chatwork、東証グロース上場)の完全子会社となりました。もともとスターティアレイズ株式会社が 2007 年から提供していた「セキュアSAMBA」を、2021 年 7 月に Chatwork(現 kubell)との合弁で会社分割し、「Chatwork ストレージテクノロジーズ」→「株式会社kubellストレージ」と移管された経緯があります。2025-12-19 の kubell 公式発表では完全子会社化とあわせてスターティアホールディングスグループとの業務提携も表明されており、旧来のレビュー記事にある提供元名や導入社数 2,500 社等の数字は現行値と一致しません。導入実績は kubell 公式ページで「8,000 社以上」と記載されていますが、いずれも「2024 年 5 月時点」の注記があるため、この記事でも 2026 年時点の最新値としては書き換えません。

市場としても、2026 年 3 月にセキュアSAMBA のスタンダード(現在は「Chatwork ユーザー特別プラン」表記)が 100GB・50 名・月 15,000 円から 300GB・人数無制限・月 25,000 円へ改定され、DirectCloud は 2026-07-27 のプレスリリースで新プラン「Team Business」(980 円/ユーザー・月、10 ユーザーから、9 月 1 日提供開始)を発表しました。BOXIL の 2025 年下半期資料請求ランキングではセキュアSAMBA がオンラインストレージ総合 1 位を取っており、注目度自体は上がっています。

主要 7 サービスの位置づけ

まず、7 サービスの本質的な違いは「機能の多寡」ではなく「課金モデル」と「主戦場の想定顧客像」にあるという整理がいちばん納得感がありました。

  • セキュアSAMBA(株式会社kubellストレージ): 容量課金・ユーザー数無制限型の純国産オンラインストレージ。Windows のエクスプローラーからドライブとして使うことに特化しており、20〜150 名程度で専任情シスがいない中小企業を主戦場にしている。ISO/IEC 27001:2022、27017:2015、27701:2019 を取得、AWS 東京リージョンで運用
  • DirectCloud(株式会社ダイレクトクラウド): 容量課金・ユーザー数無制限型と、2026 年 9 月開始の Team Business(ユーザー課金・新規顧客専用)の二本立て。ホット/ウォーム階層化、承認ワークフロー、AI 要約(DirectCloud AI)まで踏み込んでおり、より中堅〜大企業のファイルサーバー完全撤廃を想定
  • Fileforce(ファイルフォース株式会社): ID 課金の Small Business と容量課金・人数無制限の Unlimited の二本立て。Windows の Active DirectoryMicrosoft Entra ID との完全同期、権限継承の再現、Mac Finder 対応が強く、既存 NTFS 権限のリフト&シフトを重視する組織向け
  • Box(Box, Inc./株式会社Box Japan): ユーザー課金・容量無制限。1,500 以上の SaaS と連携する API エコシステム、Box SignBox RelayBox AIBox Zones を統合したクラウド・コンテンツ管理基盤。ISMAP 登録は 2021 年 9 月
  • Dropbox Business(Dropbox, Inc.): ユーザー課金・チーム共有容量。ブロックレベル差分同期による同期速度と、Dropbox Transfer など大容量ファイル転送に強い。3 ユーザーから
  • Microsoft 365(マイクロソフト株式会社): OneDrive 個人領域と SharePoint 組織領域の組み合わせ。既存契約があれば追加費用の観点で他社と比較できる。Business Basic は 1,049 円/人・月、Teams なしなら 809 円/人・月
  • Google Workspace(Google LLC): 個人のマイドライブと組織の共有ドライブに加え、ブラウザでの共同編集とメール・会議等を一体で利用。Business Standard は 1,600 円/人・月でプール 2TB×人数

補足候補として、企業間の大容量転送に特化した GigaCC ASPBizストレージ ファイルシェア、共同編集とワークフロー統合の Fleekdrive、低価格・国産エクスプローラー風 UI の Everidays、そして機密ファイル交換に特化した クリプト便NRI セキュアテクノロジーズ株式会社)があります。クリプト便は 2023-12-25 に ISMAP 登録済みで、政府調達・金融機関の機密ファイル交換に強いポジションです。

論点 1: 課金モデルの損益分岐点はおおむね 28〜30 名

料金比較でいちばん最初に見るべきは、単価表ではなく課金モデルの選択です。ユーザー課金と容量課金では、社員数の増減で年間コストの動き方が全く異なります。

たとえば 50 名で試算すると、Box Business は 1,800 円 × 50 = 月額 90,000 円、Dropbox Standard は 1,500 円 × 50 = 月額 75,000 円、Fileforce Small Business は 990 円 × 50 = 月額 49,500 円になります。同じ 50 名でも、セキュアSAMBA のビジネス(500GB)なら月額 35,000 円で固定、DirectCloud Standard(500GB)なら 44,000 円で固定です。ユーザー数が 100 名に倍増するとユーザー課金型は月額もほぼ倍になりますが、容量課金型は容量を増やさない限り一切変動しません。

損益分岐点は、Fileforce の 1ID 990 円を基準にすると、セキュアSAMBA ビジネス 35,000 円だとおおむね 35 名、Chatwork ユーザー特別プラン 25,000 円だとおおむね 25 名を超えたあたりで容量課金が有利になります。ここに社外の協力会社・下請け・顧問税理士・社労士まで含めて追加費用ゼロでアカウントを配れる点まで加味すると、実運用の分岐点は 28〜30 名前後が現実的です。

ただし、これは「同じ利用形態を前提とした基本料金の比較」であって、共同編集・監査・API・保管地域といったオプションの要件を無視した仮の値です。次節以降の論点まで踏まえたうえで、最終的には自社要件のプラン組み合わせで再試算する必要があります。

比較時には課金モデルにも注意が必要です。容量課金・ユーザー数無制限がセキュアSAMBA だけの特徴のように書かれる比較記事がありますが、DirectCloud と Fileforce Unlimited シリーズも同じ課金モデルです。「人数無制限だからセキュアSAMBA」という短絡はしないほうが安全です。

論点 2: 2026 年の料金改定と見落としやすい条件

2026 年に入ってから、この領域は複数のプラン改定が同時に走っており、古い比較記事の前提がそのままでは通用しません。

セキュアSAMBA は 2026-03-02 にスタンダードを 100GB・50 名・月 15,000 円から 300GB・人数無制限・月 25,000 円に改定しました。名称も「Chatwork ユーザー特別プラン」に変更され、Chatwork アカウントを持っている、または新規作成することが利用条件になっています。既存契約には従来料金の扱いがあるため、BOXIL SaaSITreview の過去レビューで語られている「100GB で 15,000 円」を、そのまま現行の新規契約に当てはめてはいけません。ビジネス以上のプラン初期費用も、以前は月額相当額(25,000〜35,000 円)が目安でしたが、現行公式ページでは要問い合わせに変わっています。

DirectCloud の Team Business(980 円/ユーザー、10 ユーザーから)は 2026-09-01 提供開始で、乗り換えキャンペーン期間中は 2026 年 12 月 25 日までの申込で初年度月額換算 735 円/ユーザーから利用できます。ただし、Team Business は新規顧客専用で、過去 5 年以内に有料プランの利用実績がある企業は申し込めず、Team Business から人数無制限プランへの移行も不可と明記されています。将来の大容量移行を前提とした選定には向きません。DirectCloud Standard の 44,000 円は 2026 年時点の現行値で、第三者サイトに残る 36,000 円は旧値である点にも注意が必要です。

Fileforce は 2024-10-01 に料金プランを改定しています。第三者比較サイトの旧料金がそのまま残っていることが多いので、公式の 料金ページ を参照する必要があります。Box と Dropbox も 2024〜2026 年の間に容量・上限値の微改定を行っており、契約前は必ず公式料金ページで最新の税抜/税込表示を確認するのが安全です。

「同じ月額なら同じサービスが得られる」わけではなく、初期費用、契約期間、外部コラボレータ課金、単一ファイル上限、月間ダウンロード通信量、監査ログの保持期間、バックアップ世代、Office ライセンス要否まで揃えて比較しないと、実運用の総額はずれます。

論点 3: 認証取得と ISMAP を分けて評価する

セキュリティ要件で議論を短絡させないために、認証取得の話は「ISMAP 必須か」を最初に切り分けるのが実務的です。

7 サービスと補足 2 サービスの取得状況を整理すると、以下のようになります。

サービスISO/IEC 270012701727701PマークISMAP
セキュアSAMBA
DirectCloud
Fileforce✅(2023 年新規取得)
Box
Dropbox Business
Microsoft 365
Google Workspace
クリプト便✅(+ 27018)
Everidays

政府調達・金融機関の機密情報・機微個人情報を扱う場合の ISMAP 必須ケースでは、この時点で Box、クリプト便、Microsoft 365、Google Workspace の 4 サービスに候補が絞り込まれます。純国産・容量課金・エクスプローラー操作を優先しつつ ISMAP も欲しい、というのは 2026 年 9 月時点では両立しません。

一方、ISMAP が要件になく、ISO 27001/27017 と国内データセンター・国内サポートで足りるケース(多くの中小企業・非規制業種)なら、セキュアSAMBA・DirectCloud・Fileforce のいずれも十分に候補になります。認証取得の有無だけで「セキュアSAMBA は Box より劣る」というような順位付けは、要件が定義できていない議論なので避けたほうが安全です。

セキュアSAMBA が 27701:2019(プライバシー情報マネジメント)を取得している点は、社員情報・顧客情報など個人情報の取り扱いガバナンスを問われる場面での説明材料になります。DirectCloud と Fileforce は 27701 を取得していないため、この点でのアピールはしにくくなります。

論点 4: データリージョンと日本国内保管の条件

「データを国内に置きたい」というポリシー要件は、ISMAP と並んで議論されがちですが動機が別物なので独立して評価するのが安全です。ISMAP は主に行政調達の条件、データリージョンは業界規制・社内ガバナンス・商流上の説明責任の話で、両者を混ぜて議論すると ISMAP は不要でも国内保管が必要なケースを取り違えます。

7 サービスと補足の既定挙動を並べると、次のようになります。

  • セキュアSAMBA、DirectCloud、Fileforce、クリプト便、Everidays: 国内データセンターが既定で、契約時に議論することはほぼない
  • Box: 既定はグローバル。日本固定は Box Zones の追加契約が必要で、対象プランと追加料金は要問い合わせ
  • Dropbox Business: 既定はグローバル。データレジデンシー機能の対象プラン・追加費用は要問い合わせ
  • Microsoft 365: 日本テナントで作成した場合、多くのコンテンツは基本的に日本に保管される。全対象化には Advanced Data Residency (ADR) の追加ライセンスが必要
  • Google Workspace: Business プランでは既定でリージョン指定不可。日本固定は Enterprise プランで データリージョン(Assured Controls) を有効化する必要がある

純国産系は国内固定がデフォルトのため契約時にほぼ論点にならず、グローバル系は「日本固定にするには追加費用・対象プランの制約が付く」のが基本構図です。ISO 27017・27018 の取得と、実際のデータ保管地は別レイヤーの話で、認証を持っていても既定の保管地が日本かどうかは個別確認が必要です。

契約前に見積書で確定させたいのは以下の 4 点です。

  • 既定の保管リージョンと、日本固定オプションの有無・条件(対象プラン、追加費用、年額契約の有無)
  • バックアップ・レプリカ・監査ログの保管地が本体データと同一か
  • メタデータ、検索インデックス、AI 処理中の中間データなど「業務データ以外」の保管地
  • サブプロセッサ一覧とその所在地

論点 5: 機能表に載らないセキュアSAMBA 側の制約

セキュアSAMBA の営業資料や比較記事ではあまり強調されない制約が、機能表の裏側に複数あります。契約前にこの 5 点は必ず自社要件と突き合わせるのが安全です。

一つ目は、ブラウザでの同時共同編集に非対応な点です。ドライブアプリからの直接編集は Office ファイルに対して問題なく動きますが、Box や Google Drive のように 1 つのスプレッドシートを複数人が同時に開いて編集する、という現代的なコラボレーションはできません。旧来のファイルサーバーで「排他で開いて閉じる」運用に慣れているなら問題になりませんが、Microsoft 365 の共同編集や Google スプレッドシートの同時編集が日常化している組織では、生産性の天井になります。

二つ目は、Mac サポートの弱さです。現行スペックページ のサポート OS 表記は Windows 11 で、Mac は対応ブラウザが記載されているのみです。Finder からドライブとして扱う運用を前提にするなら、Mac Finder に対応する Fileforce Drive や DirectCloud のドライブアプリのほうが自然です。実機で試すのが確実で、Mac 比率が高い組織はここで候補が変わります。

三つ目は、全文検索オプションが 2025-10-31 で終了した点です。現行の機能ページで案内される検索は、ファイル名・タグ名・フォルダ名です。過去のレビュー記事にある「全文検索対応」の記載を、そのまま現行機能として引き継いではいけません。後継機能の有無はベンダー質問リストに入れる項目です。

四つ目は、人数無制限とは別に、通信量とセッション数に上限があることです。ヘルプページには月間ダウンロード通信量の上限、超過時のダウンロード停止、有償プランでのリセット依頼についての記載があります。Web ブラウザの同時セッション数にも制限があるという説明がありますが、現行料金ページから具体的な上限値を確定することはできません。人数無制限を全面に押し出す一方で、通信量・セッション上限は前面に出ていないため、営業提示の見積書に「新規契約への適用値、上限、解除所要時間」を含めてもらうのが安全です。

五つ目は、Web インターフェースでフォルダ構造を維持したまま一括ダウンロードができない点です。取引先から大量の図面や写真が入ったフォルダを受け取る業種、案件データをまとめてローカルに退避させる業務では、階層再構築を手作業で行う必要があり、実運用の摩擦になります。ドライブアプリからのローカル同期・コピーで回避できる場面もありますが、Web だけで完結させたい要件では確認が必要です。

用途別の棲み分け

以上の 5 論点を踏まえると、条件別の第一候補はおおむね以下のように整理できます。品質順位ではなく、条件別の使い分けです。

主要な条件第一候補補足
20〜150 名の中小企業・専任情シス不在・Windows 中心・NAS 更新セキュアSAMBAChatwork アカウントの用意可否とビジネスプラン初期費用を確認
ファイルサーバー完全撤廃・大容量・容量階層化・承認ワークフローDirectCloudTeam Business は新規専用・移行不可の制約に注意
既存 Active Directory/Entra ID 権限のリフト&シフト・Mac 混在FileforceNTFS 権限継承の再現度と Fileforce Drive の実運用を評価
社外との共同作業・グローバル・API エコシステム・ISMAPBoxBusiness Plus 以上と外部コラボレータ課金の条件を確認
CAD・映像・大容量バイナリの高速同期・少人数Dropbox BusinessStandard/Advanced の容量枠と復元期間を評価
Microsoft 365 契約済み・Office 共同編集・SharePoint 資産ありOneDrive/SharePoint個人領域と組織領域を分けて設計し、追加費用として比較
Google Workspace 契約済み・ブラウザ共同編集・メール一体運用Google Drive/共有ドライブデータリージョン設定で日本固定は Enterprise プラン(Assured Controls)が必要
政府調達・金融・機微情報・誤送信防止・ISMAP 必須クリプト便送受信+共有の 2 機能で、ストレージ主用途とは性格が異なる
企業間の大容量ファイル転送・承認ワークフロー・国内完結GigaCC ASP/Bizストレージ上位プラン・オプション込みで見積もる

セキュアSAMBA が最も向くのは、従業員数がおおむね 20〜150 名程度で、社内に専任 IT 部門がなく、既存の NAS やオンプレミスファイルサーバーからのクラウド移行を月額 2.5 万〜3.5 万円の固定予算で進めたい組織です。取引先や下請け、顧問税理士・社労士のアカウントを追加費用ゼロで発行できるため、サプライチェーン全体を巻き込んだ共有基盤としても機能します。

トライアルで実測すべきこと

比較表とベンダー資料だけでは判断できない項目は、共通のテストデータを各社に投入して自分で測るのがいちばん早いです。セキュアSAMBA の 14 日間無料トライアル(100GB・全機能)、DirectCloud Team Business の 14 日間トライアル、Fileforce の 30 日間トライアル、Box と Dropbox の Business トライアル、Microsoft 365 と Google Workspace の無料試用期間を並行検証するのが現実的です。

投入するテストケースは 5 類型に分けます。

  • Windows・Mac 双方から日常的に使う Office 文書と PDF: エクスプローラー/Finder 表示、直接編集、上書き保存、バージョン戻しの動作確認
  • 数万ファイル規模の階層深いフォルダ: 初回同期時間、権限継承、名前解決、パス長制限、検索応答の実測
  • 数 GB〜数十 GB の大容量バイナリ(CAD・映像等): アップロード・ダウンロード時間、単一ファイル上限、月間通信量への影響
  • 社外パートナーへの共有: 有効期限・パスワード・DL 回数・プレビュー限定・ダウンロード禁止の実装と、受け取り側の必要操作
  • 監査シナリオ: 全操作ログの記録内容と保持期間、CSV/PDF 出力、退職ユーザーの権限剥奪、契約終了後のデータ一括返却手順

測定指標は次の 3 つを、同じ担当者が同じ手順で計測します。

  • ドライブマウント〜編集〜保存の一連動作の所要時間
  • 権限変更・共有リンク発行・監査ログ出力といった管理者作業のクリック数と画面遷移数
  • 障害時・ランサムウェア検知時の通知経路・自動ロックの挙動・復元単位

「機能があるかないか」の丸バツ比較を精度と勘違いしないために、実際の業務手順の所要時間と、想定外の挙動が出た場合の回避手段まで含めて評価するのがポイントです。

契約前に必ず見積もりで確定させたい項目

トライアルで動作確認ができたあと、営業提示の見積書には少なくとも以下を必ず含めてもらうのが実務的です。過去に「単価表を見て試算した年額」と「実際の請求」が数割ずれた経験があり、見落としやすい費目がここに集中しています。

  • 基本料金・容量・利用者数と最低利用期間(1 年契約か月次契約か、途中減額の可否)
  • 初期費用(プラン別・キャンペーン適用可否・代理店経由の差額)
  • ウイルスチェック・バックアップ・容量拡張・監査ログ延長・SSO 連携等のオプション料金
  • バックアップの保存リージョン・世代数・保持期間・復元費用・復旧所要時間
  • 月間通信量とセッション数の上限・超過時の挙動・解除所要時間
  • API の公開範囲・利用可能プラン・認証・回数制限・追加料金
  • SLA と障害通知条件、休日夜間の連絡経路、補償上限
  • 契約終了後のデータ一括返却手順、削除・バックアップ残存期間

とくにセキュアSAMBA のビジネス以上のプランは、現行公式ページで初期費用が要問い合わせに変わっているため、月額だけで比較して契約すると初期費用の請求で驚くことがあります。DirectCloud の Team Business は乗り換えキャンペーンの適用条件(申込期限、初年度と次年度以降の月額差)まで見積書に明記してもらうのが安全です。

まとめ

  • セキュアSAMBA は 2025-12-19 に kubell の完全子会社となり、2026-03-02 に主力プランを 100GB・50 名・15,000 円から 300GB・人数無制限・25,000 円へ改定した。古いレビュー記事の前提はもう当てはまらない
  • 容量課金とユーザー課金の損益分岐点はおおむね 28〜30 名。ただし容量課金・人数無制限はセキュアSAMBA だけの特徴ではなく、DirectCloud と Fileforce Unlimited も同じモデル
  • DirectCloud Team Business は 2026-09-01 開始・新規顧客専用・人数無制限プランへの移行不可。将来の大容量移行を前提にした選定には向かない
  • ISMAP 必須なら Box、クリプト便、Microsoft 365、Google Workspace の 4 択に絞られる。純国産・容量課金・エクスプローラー操作+ISMAP は 2026 年 9 月時点では両立しない
  • データリージョンは ISMAP と動機が別物。純国産系は国内固定が既定、グローバル系(Box・Dropbox・Microsoft 365・Google Workspace)は日本固定に追加費用と対象プランの制約が付くのが基本構図
  • セキュアSAMBA の制約はブラウザ同時編集非対応、Mac サポートの弱さ、全文検索オプションの 2025-10-31 終了、通信量・セッション上限、Web からのフォルダ一括ダウンロード非対応の 5 点。契約前に自社要件と突き合わせる
  • トライアルでは Office 直接編集、階層深いフォルダの同期、大容量バイナリ、社外共有、監査シナリオの 5 類型を同一条件で投入し、所要時間・クリック数・障害時挙動を実測する
  • 見積書には基本料金だけでなく、初期費用・オプション・バックアップ仕様・通信量とセッション上限・API 条件・SLA・契約終了後手順まで含めてもらう

以上、セキュアSAMBA と主要オンラインストレージ 7 サービスを課金モデル・料金改定・認証取得・データリージョン・機能制約の 5 論点で比較検討した、現場からお送りしました。

参考情報