Gemini CLI は Apache 2.0 ライセンスだが利用規約には注意が必要
Google が公開している Gemini CLI は、ターミナルから Gemini モデルを利用できる CLI ツールです。GitHub リポジトリを見ると Apache License 2.0 で公開されており、コードの改変、再配布、商用利用が許可されています。
OSS として公開されているなら、ラップして社内ツールに組み込んだり、独自のインターフェースから呼び出したりすることも自由にできるように見えます。しかし、利用規約を確認したところ、気になる記述がありました。
利用規約のサードパーティツール制限
Gemini CLI の利用規約には、以下の記述があります。
Directly accessing the services powering Gemini CLI (e.g., the Gemini Code Assist service) using third-party software, tools, or services (for example, using OpenClaw with Gemini CLI OAuth) is a violation of applicable terms and policies.
サードパーティ製のソフトウェア、ツール、またはサービス(例えば、OpenClaw と Gemini CLI の OAuth を併用するなど)を使用して、Gemini CLI を支えるサービス(例: Gemini Code Assist サービス)に直接アクセスすることは、適用される利用規約およびポリシーに違反します。
つまり、Gemini CLI のコード自体は Apache 2.0 で自由に利用できますが、そのコードを通じてアクセスするバックエンドサービスには独自の利用規約が適用され、サードパーティツール経由でのアクセスは明確に禁止されています。
さらに、違反した場合について以下の記述もあります。
Such actions may be grounds for suspension or termination of your account.
そのような行為はアカウントの停止または終了の根拠となる可能性があります。
OSS ライセンスとサービス利用規約は別物
この構造は、OSS に慣れたエンジニアにとって見落としやすいポイントです。
- コード(Apache 2.0): 改変、再配布、商用利用が自由
- サービス(利用規約): サードパーティツール経由でのアクセスを禁止
コードがオープンソースであることと、そのコードが接続するサービスを自由に利用できることは別の話です。Gemini CLI の場合、コードは自由に触れますが、バックエンドの Gemini Code Assist サービスへのアクセス方法には制約があります。
認証方法によって適用される規約が異なる
Gemini CLI の利用規約ページでは、認証方法によって適用される規約が変わることも説明されています。
| 認証方法 | 適用される規約 |
|---|---|
| Google アカウント(Gemini Code Assist) | Google の利用規約 + Gemini Code Assist プライバシー通知 |
| Gemini Developer API | Gemini API 利用規約 + Google プライバシーポリシー |
| Vertex AI GenAI API | Google Cloud Platform サービス規約 + Google Cloud プライバシー通知 |
どの認証方法を使うかによって、データの取り扱いや利用制限が変わるため、組織で導入する際には認証方法の選択も重要な検討事項です。
組織での導入を検討する際の注意点
Gemini CLI を組織で導入する場合、以下の点を確認しておくべきです。
- 利用規約を読む: Apache 2.0 ライセンスだけでなく、サービスの利用規約を確認する
- 利用形態を整理する: 個人がそのまま CLI を使う場合と、ラップして社内ツールに組み込む場合では、利用規約上の扱いが変わる可能性がある
- 認証方法を選択する: Google アカウント、Gemini Developer API、Vertex AI のどれを使うかで適用される規約が異なる
- 法務に相談する: 利用規約の解釈が自社の利用形態に適合するかどうかは、最終的には法務判断が必要
まとめ
Gemini CLI は Apache 2.0 ライセンスの OSS として公開されていますが、利用規約にはサードパーティツール経由でのバックエンドサービスへのアクセスを禁止する条項があります。
OSS ライセンスはコードの利用条件を定めるものであり、そのコードが接続するサービスの利用条件とは別です。AI コーディングツールを組織に導入する際は、ソースコードのライセンスだけでなく、サービスの利用規約まで確認することをお勧めします。
以上、AI コーディングツールの利用規約を読み込んでいる現場からお送りしました。