AWS Copilot CLI のサポート終了と今後の選択肢

重岡 正 ·  Fri, January 23, 2026

以前の記事「AWS Copilot CLI で AI コーディングツールでのプロトタイピング開発を加速する」で、AWS Copilot CLI の便利さを紹介しました。しかし、その Copilot CLI のサポート終了が進行しています。

本記事では、サポート終了に至る経緯と現在のステータス、そしてコミュニティで議論されている移行先の選択肢を整理します。

何が起きたのか

2024 年 11 月、AWS Copilot CLI の GitHub リポジトリに変化が現れました。

PR #5974 で README にメンテナンスモードへの移行を示す記述が追加されましたが、わずか数時間後に PR #5975 でその記述が取り消されました。同時期に「2025 年 2 月 3 日をもって AWS Copilot CLI のサポートを終了する」という AWS ブログ記事の存在がコミット履歴から発見されましたが、この記事も公開後に削除されています。

この一連の動きがコミュニティに混乱を招きました。公式アナウンスは出ては消え、GitHub の Discussion には「本当に非推奨なのか?」という質問が相次ぎました。

現在のステータス

AWS チームメンバーの iamhopaul123 氏が GitHub Discussion #5925 で以下のように述べています。

We are not actively developing any new features for Copilot but we still do maintenance work.

(Copilot の新機能開発は行っていませんが、メンテナンス作業は継続しています。)

現時点で確認できる事実は以下のとおりです。

  • 新機能の開発は停止 しており、メンテナンスモードに移行している
  • AWS サミットで AWS の担当者がサポート終了を認めたとの報告がある
  • GitHub リポジトリはアーカイブされておらず、依然としてアクセス可能
  • AWS の公式ドキュメントには引き続き Copilot への言及が残っている

ECS デプロイツールの廃止の歴史

Copilot CLI の廃止は、AWS における ECS デプロイツールの廃止として 3 例目です。

ツールリポジトリ状態
fargate-cliawslabs/fargatecliアーカイブ済み。Copilot CLI への移行を推奨
amazon-ecs-cliaws/amazon-ecs-cliアーカイブ済み。Copilot CLI への移行を推奨
copilot-cliaws/copilot-cliメンテナンスモード。新機能開発停止

fargate-cli と amazon-ecs-cli の両方が「Copilot CLI を使ってください」と案内しているにもかかわらず、その Copilot CLI 自体がサポート終了に向かっているという状況です。

また、代替として挙がることのある AWS Proton も 2026 年 10 月 7 日にサポート終了が予定されています。

コミュニティで議論されている移行先

GitHub Discussion や Reddit では、さまざまな移行先が議論されています。

CloudFormation テンプレートをそのまま活用する方向

Copilot が生成した CloudFormation テンプレートをそのまま再利用するアプローチです。

ツール特徴注意点
Sceptreマルチスタックオーケストレーション、依存関係管理、CI/CD 向き設定構造の学習コストあり
AWS Rain軽量。rain deploy で CloudFormation テンプレートを直接デプロイメンテナが AWS を退職しているとの情報あり。マルチスタックのオーケストレーション非対応

IaC ツールへの移行

ツール特徴
AWS CDKAWS ネイティブ。TypeScript / Python などでインフラを定義
Terraform / OpenTofuマルチクラウド対応。CloudFormation スタックのインポートも可能
SSTTypeScript ベース。開発者体験を重視した IaC
Pulumi汎用プログラミング言語でインフラを定義

Terraform の料金モデルを懸念する声もありますが、Terraform Cloud のホスト型ステート管理を使わず、GitHub Actions + S3 をステートストレージにすればコストを抑えられるという指摘も出ています。OpenTofu はオープンソースの Terraform フォークで、ライセンスの懸念なく利用できます。

プロトタイピング用途での影響

以前の記事で紹介した「AI コーディングツール × Copilot CLI」のプロトタイピングワークフローについては、以下のように整理できます。

当面は使い続けられる。Copilot CLI は既にインストール済みの環境であれば引き続き動作し、copilot initcopilot app delete のサイクルも機能します。プロトタイプは短期間で作って壊すものなので、長期的なメンテナンスリスクが低く、サポート終了の影響を最も受けにくい用途ではあります。

ただし、Copilot が依存する AWS サービス側に破壊的変更が入った場合、修正されない可能性があります。新規プロジェクトで Copilot を採用するかどうかは、この点を踏まえた判断が必要です。

まとめ

AWS Copilot CLI は、ECS/Fargate へのデプロイを劇的に簡素化したツールでした。しかし、新機能の開発は停止し、サポート終了に向かっています。公式アナウンスの二転三転が混乱を招きましたが、メンテナンスモードであること自体は AWS チームメンバーが認めています。

本番環境で Copilot を使用しているチームは、移行計画を検討し始める時期です。CloudFormation テンプレートをそのまま活かすなら Sceptre、IaC ツールに移行するなら CDK や Terraform / OpenTofu が有力な選択肢になります。

以上、AWS Copilot CLI の今後を整理した、現場からお送りしました。

参考情報